2016年3月1日火曜日

激しい叙情が染みいる、黄昏のプログレッシブハードフォークバンド ― 曇ヶ原『独言独笑』(2016)


https://soundcloud.com/kumorigahara

 かつてニューウェイヴバンド ピノリュックや歌謡ハードロックバンド ぐゎらん堂などにベーシストとして在籍していた石垣翔大氏によって結成された“日本語によるプログレッシブハードフォーク”バンド 曇ヶ原の1stアルバム。石垣氏の弾き語りソロユニットとして2010年6月より活動を開始した曇ヶ原は、2013年9月よりバンドスタイルへと発展。現在に至るまでコンスタントなペースで自主企画や対バンなどを行っております。また、初期には「例のK」(中学生棺桶の後身バンド)のヤミニ氏もギタリストとして在籍しておりました(その後、プログレッシヴハードコアバンド Emily likes tennisでも豪腕をふるうエンリケ後悔王子に交代)。






 本作『独言独笑』は全6曲。デモCD時代からの楽曲をふくめほとんどが7~11分に及ぶ長尺であり、タイトなリズム隊と暴れまくるキーボードが白熱の応酬を繰り広げるハード/プログレッシヴなパートと、黄昏た情景を喚起させるフォーキーなパートとが交互に展開される構成。変拍子アンサンブルのアグレッシヴな一体感に初期のKING CRIMSONやYESを、可変性に富みながらも時にハッとするような場面が到来する作風に、石垣氏が敬愛するプログレッシヴパンクバンド「痛郎」を彷彿とさせつつ、ふんだんに盛り込まれた展開をシームレスに噛み合わせていくバンドの手腕の巧みさも光ります。ハイライトは"うさぎの涙""砂上の朝焼け"といった大曲ですが、一方で、コンパクトな尺のなかで加速度的に起承転結が展開される"無風地帯"(石垣氏とエンリケ後悔王子の共作曲)も印象深いですし、ストレートな歌心をぶつけるピアノ主体のウェットなスロウバラード"雪虫"は、じんわりと染み入るラストを演出しています。




『独言独笑』

01. うさぎの涙
02. 午前三時
03. 無風地帯
04. 鉛色
05. 砂上の朝焼け
06. 雪虫


ジャケットデザイン:いとうかおす
録音・ミックス:ミツビシテツロウ(カタカナ)
マスタリング:中村宗一郎(ピースミュージック)
帯コメント:井手宣裕(痛郎)


《公式サイト》
http://kgh.lix.jp/
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