2016年2月28日日曜日

燃える招き猫、火を噴くヘヴィ・ジャズ。凄腕ぞろいのハイパーインストバンド ― MUMPBEAK『Mumpbeak』(2013)

Mumpbeak
Mumpbeak
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Mumpbeak
Rarenoise Records (2013-12-03)
売り上げランキング: 611,543


 イギリス生まれ、現在はオスロに在住するキーボーディスト/コンポーザーのロイ・パウエル。彼はパット・マステロット(Drums / ex.KING CRIMSON)とロレンツォ・フェリシアーティ(Bass)らとのジャズ・ロック・バンド NAKED TRUTHや、ヤコブ・ヤング(Guitar)らとのオルガン・トリオ InterStaticでフェンダーローズやハモンドオルガン、プリペアードピアノを弾き倒し、これまでに数枚のアルバムをリリースしております。そんな彼が中心となって近年に新たに立ち上がったバンドが、このMUMPBEAK。招き猫が燃え上がるインパクト十分なジャケットからもうかがえるように、こちらはより強くヘヴィ・プログレに傾倒したサウンドを展開。とくにKING CRIMSONからの影響は顕著です。本作にはマステロットとフェリシアーティ(1曲のみ参加)のほか、トニー・レヴィン、ビル・ラズウェル、ジョン・ゾーンとのMASADAやABRAXASでも知られるシャミア・エズラ・ブルーメンクランツら凄腕ベーシストが参加。ラズウェルはアルバムのプロデュースとミキシングも買って出ております。ギンギンに歪ませたクラヴィネットはときに鋭角的トーンのギターサウンドも創出、ジェフ・ベックやアラン・ホールズワースのような唸りを上げるプレイの再現も果たしております。そこにインプロヴィゼイション込みのズ太いボトムが支え、時に激突する様はじつにスリリング。火を噴くインストゥルメンタルアルバムとして申し分のない内容です。



 現在、バンドは二枚目のアルバムのレコーディングを進めており、マステロットやフェリシアーティ、レヴィンのほか、チャド・ワッカーマンやトルステン・ロフトゥス(SHINING、Elephant9 etc)が参加するとのことで、これはまた一層白熱の度を増す予感がビンビンいたします。



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