2014年11月18日火曜日

DIMENSION、T-SQUARE、SOLID BRASSの面々の強力な演奏で仕上げられた、「マリオカート8」BGM

マリオカート8マリオカート8
(2014/05/29)
Nintendo Wii U

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任天堂の「マリオカート」シリーズも、一作目から既に二十年以上が経っており、実に息の長いタイトルになっております。シリーズ最新作である「マリオカート8」は、今年五月にリリースされたばかりでまだまだ記憶に新しい。しばらくシリーズは追っておりませんでしたが、最近ふと「8」のBGMを耳にして驚いた次第。というのも、生演奏なんですよね。しかも演奏メンバーがまたセッション/フュージョン畑からの錚々たるラインナップ。DIMENSIONとT-SQUAREとSOLID BRASSの面々が名を連ねていてさらにびっくりしました。レースゲームにフュージョン・ミュージックという組み合わせは定番ですし、グランツーリスモシリーズでのT-SQUAREメンバーの起用や、アウトランやセガラリーのアレンジCDにおけるS.S.T.BANDなど、ゲーム音楽での前例もいくつもありますが、マリオカートシリーズもパフォーマンス的なところに力を入れてくるようになったかあと、妙な感慨をおぼえました。


演奏メンバーのクレジットは以下の通り。

増崎孝司 (guitar / DIMENSION)
川崎哲平 (bass / DIMENSION)
坂東慧 (drums / T-SQUARE)
遠山哲朗 (acoustic guitar)
エリック・ミヤシロ (trumpet)
西村浩二 (trumpet / SOLID BRASS)
奥村晶 (trumpet / 渡辺貞夫ビッグバンド、熱帯JAZZ楽団etc)
村田陽一 (trombone / SOLID BRASS、渡辺貞夫オーケストラetc)
鹿討奏 (trombone)
勝田一樹 (alt sax / DIMENSION)
本間将人 (alt sax / JAM company)
竹野昌邦 (tenor sax / SOLID BRASS、山下洋輔ビッグバンドetc)
山本拓夫 (baritone sax / SOLID BRASS、渡辺貞夫オーケストラetc)
今野均 (violin)

「The Music of Mario Kart 8」(Kotaku.com)
http://kotaku.com/the-music-of-mario-kart-8-1592469987

コンポーザーの永田権太氏(マリオカートシリーズでは「64」「ダブルダッシュ」「7」も担当、ほか「どうぶつの森」シリーズ、「ゼルダの伝説 風のタクト」など)、藤井志帆さん(「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」「New スーパーマリオブラザーズ Wii」など)、朝日温子さん(「スティールダイバー」「とびだせ どうぶつの森」など)、永松亮氏(「New スーパーマリオブラザーズ Wii」など)、岩田恭明氏(「スーパーマリオ 3Dワールド」など)へのインタビュー(英文)。BGMを生演奏で収録するというのは実は今回が初の試みだそうで、サウンドディレクターも務める永田氏は「ハイクオリティのグラフィックと連動させて、よりスケール感のあるものにした」と、また、藤井さんは「ゲームミュージックの音楽スタイルとライヴ感のある音楽、双方の良さを効果的に使ってつくり上げることは挑戦だった」と語られているのをはじめ、各コンポーザーの本作のBGMに対するこだわりがうかがえます。

マリオカート64 ― オリジナル・サウンドトラックマリオカート64 ― オリジナル・サウンドトラック
(1997/09/19)
ゲーム・ミュージック

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よくよく考えると、マリオカートシリーズって、サウンドトラックがCDとして一般発売されたのは「マリオカート64」(1996)のみなんですよね。しかし市場に出回った数はそこまで多くないのもあって、現在はプレミアアイテムのひとつになってしまっています。「ヨッシーアイランド」しかり、「ドンキーコング」シリーズしかり、任天堂のゲーム作品のサントラはけっこうそういうケースが多いですが…。ちなみに「マリオカート Wii」(2008)にサウンドトラックCDが存在しますが、これはゲームが発売されてから三年後、2011年度のクラブニンテンドーのプラチナ会員の特典アイテムとして該当者に届けられたというシロモノなので、やはりプレミアアイテムであります。「8」はこれだけのメンツを揃えて録音されているのですから、できることならばサウンドトラックとしてパッケージ化して欲しいなと思うのですが、やはり難しいのでしょうかね。

◆本日配信の「マリオカート8」の「追加コンテンツ第1弾」を先行体験。懐かしいけど新しい,あのコースも走れるように! - 4Gamers.Net(2014.11.13)
http://www.4gamer.net/games/220/G022038/20141112054/

なお、先日11月13日付けでゲームの追加ダウンロードコンテンツがリリースされ、八つの新コースのために八曲のBGMが用意されました。同日、任天堂の公式YouTubeチャンネルでそのうち三曲 "ドラゴンロード" "ミュートシティ" "ハイラルサーキット"の演奏映像がアップロードされております。"ドラゴンロード"はオリエンタルなフュージョン・チューン。後者ふたつはそれぞれF-ZEROの"Mute City"、ゼルダの伝説シリーズのメインテーマのアレンジです。なお、こちらの演奏メンバーは増崎孝司(g) 川崎哲平(b) 則竹裕之(ds) 本間将人山本拓夫(sax) ルイス・バジェ(tp) 篠崎正嗣(vln)といったラインナップ。