2014年7月9日水曜日

アメリカ、イタリア、ヴェネズエラを繋ぐ? 謎多き雑食プログレッシヴ・メタル・ユニット Jolly Doomsday『Battle For Rome』(2014)



bandcampを漁っていて、「これは!」という面白いバンドに出くわすことが少なからずあるのですが、先ごろデビューアルバムをname your priceで配信リリースした、このJolly Doomsdayもそんなバンドの一つ。いろいろと謎が多く、各メンバーのプロフィールやユニットのバイオグラフィもよくわかっておりませんが、彼らのbandcampやfacebookに掲載されている情報から察するに、ヴェネズエラ出身のCanapial、イタリア出身のCazzo Vecchioという二人のメンバーを中心としてアメリカはルイジアナを拠点に活動するプログレッシヴ・メタル・ユニットといったところでしょうか。メンバーはこれ以前にDuchamp Jazz Unitという名義で4曲入りのEPを1枚リリースしており、そこではスーパーマリオワールドのアスレチック・ステージのBGMをジャズ・スタイルでカヴァーもしていたようです。



ジャケットのイメージよろしくワイルドなハード・ロックを主体としたものなのかと思っていましたが、さにあらず。冒頭こそ、ドライヴ感溢れるストレートなハード・ロック・ナンバーで幕開けするものの、スタイルとしてはミクスチャー・ロックに近いです。軽やかにアクセントも効いたピアノ・エモな"Engineered Emotion" "Things I Found While Looking Down"や、カントリー・ロック テイストもある"Lonely Roads"でウェットに展開したかと思えば、"A Minute A Day A Year"では、Emily Mannという女性ヴォーカリストをフィーチャーしたジャズ・コンボ・スタイルでの歌ものを聴かせ、アルバム中盤の"Loose Wheel"では、Alberto Troconisなるギタリストを迎えてMachinae Supremacyばりのチップチューン・メタルで爆走し、果ては"Walmart Etude"と題されたラストの2曲では、何かのアニメから抜き出したセリフを挿入したプログレッシヴ・メタルなインストをおっぱじめるといった具合。突発的にスイッチが入ったかのようにナードな趣向も見せています。ちなみに、彼らが影響を受けたものとして挙げているバンド/アーティストにはフランク・ザッパ、マティアス・エクルンド(FREAK KITCHEN)、上原ひろみ、ミクスチャー/エクスペリメンタル系のMr.BungleやEstradasphereなどの名前があり、なるほど彼らの雑多な音楽性の裏づけとして納得できるものを感じた次第です。アルバムはname your priceで聴けますし、キワモノ好きは聴いてみて損はないですよ。



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痴女!