2013年3月26日火曜日

惑星ソラリス

惑星ソラリス HDマスター [DVD]惑星ソラリス HDマスター [DVD]
(2013/04/26)
ナタリア・ボンダルチュク、ドナータス・バニオニス 他

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この機会に見とくべきかなあ。



エドゥアルド・アルテミエフがコンポーズを手がけた惑星ソラリスのサントラCDはとっくの昔に廃盤だけど、音源だけならiTunesで買えるのね。『鏡』『ストーカー』のサントラも同様に。
https://itunes.apple.com/jp/album/m-16/id272824022?i=272824042
https://itunes.apple.com/jp/album/andrei-tarkovsky-original/id272830726

エドゥアルド・アルテミエフの86年作品『Warmth Of Earth』はスケールでか過ぎでテンション高すぎな超ド級の感動的シンセサイザー作品で、開いた口が塞がらなくなる名作なんだけど、数年前に出た再発盤はもう廃盤なんだよねえ。惜しい。



エドゥアルドの息子のアルテミー・アルテミエフも作曲家で、クラウス・シュルツとかTANGERINE DREAMみたいなメディテーション系シンセサイザーミュージックをやってるんだよね。





2013年3月25日月曜日

スイスのDRAGONFLY

DragonflyDragonfly
(2001/01/01)
Dragonfly

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70~80年代のスイスに、アルバムを1枚残して解散したDRAGONFLYというプログレ・バンドがおりましてな。親しみやすいサウンドとバランス感覚を持った良バンドだったんですよ。この曲なんかはどっかで聴いたような曲調だけど超好きでしてね。


DRAGONFLYのメンバーの消息を調べていたら、ギタリストのマルセル・イーゲ氏は80年代半ばにEos Guitar Quartetなるカルテットを結成し、現在もスイスで活動中と知る。

http://www.guitar-ege.ch/index2.php
http://www.guitarquartet.ch/

Eos Guitar Quartetのサイトでライヴでの演奏レパートリーを紹介してるんだけど、エグベルト・ジスモンチやジョン・マクラフリン、フレッド・フリス、クリスティ・ドーラン、ラルフ・タウナーの曲とか色々演ってるんだよね。

http://www.guitarquartet.ch/content/e/1/index.php?N1=repertoire

YouTubeに動画も挙がっている。




2013年3月24日日曜日

ニンジャコマンドー

ADKのニンジャコマンドー面白いなあ。


爆烈究極拳乱射プレイを見ているとこっちの腹筋も爆裂しそうになる。ニンジャ アメンボゥー!


おのーれ、おのーれ!


ふと気づいたけど、ニンジャコマンドーのステージ6 BGMにはショスタコーヴィッチの交響曲第5番のフレーズが、ステージ7ボスのBGMにはEmerson,Lake&Palmer"Tarkus"のフレーズが入ってるんだよなあ。

LONE STAR

ポール・チャップマンとジョン・スローマンがUFOやURIAH HEEPに加入する前に在籍していたLONE STARのプログレ・ハード・サウンドがとても自分の好みに合致する。たまらん。1stと2ndの2in1盤を中古で探してみるかと思ってたけど、ちょっと前に出たデラックス版もそれはそれで捨て難い。

Lone Star (Special Limited Deluxe Collector's Edition)Lone Star (Special Limited Deluxe Collector's Edition)
(2011/10/24)
Lone Star

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Firing On All Six (Special Limited Deluxe Collector's Edition)Firing On All Six (Special Limited Deluxe Collector's Edition)
(2011/10/24)
Lone Star

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ポップセンス溢れる魅力的なキーボーディスト/コンポーザー Tom Brislin

2000年代に入ってからYESやCAMELのツアーに参加し、近年ではThe SynやRENAISSANSE、フランシス・ダナリーのツアーに参加している若手キーボーディスト Tom Brislin(トム・ブリスリン)。プログレ界隈でしょっちゅう名前を見かけるので、彼はどっぷりプログレ畑の人なのかなと思っていたのだけれども、さにあらず、調べてみるとかなり面白い経歴と魅力的なポップセンスの持ち主だと知った。90年代からYou Were Spiralingというポップ・ロック・バンドのフロントマンとして活動(2000年代からはSpiralingに改名)していて、その活動が縁でOK GOのツアーやアルバムに参加したというのはとても興味深い。

こちらはそのSpiralingのPV。


でもライヴではYESの"Tempus Fugit"や、EL&Pの"Nutrocker"をカヴァーしていたりする。


ジョー・ジャクソン「Steppin' Out」を一人多重録音でカヴァーした動画も良い感じ。


2012年には自身のポップセンスを存分に発揮した楽曲を収録した初のソロアルバムもリリースしている。


Tom Brislin | BANDS | POWERPOP ACADEMY
Tom Brislin - Wikipedia

2013年3月23日土曜日

NINJA MAGICのメンバー3人が在籍した前身バンドのEP ― DOMINI MAGICA『One-way Deviation』(2004)

NINJA MAGICワサビ・サンダーボーン氏のYouTubeアカウントを見ていたら、NINJA MAGICの前身バンドであるDOMINI MAGICAの2004年発表のデモEPの全曲がアップロードされていたことに気づいた。DOMINI MAGICAは5人組の正統派パワーメタル・バンド。ヴォーカル、ベーシストの2人に加え、後にNINJA MAGICでワサビ・サンダーボーンを名乗るRikard Okvist、カタナ・シュリケンを名乗るAxel Landstrom、カワサケ・ヤマモトを名乗るNiklas Karvonenの3人が名を連ねていた。2003年と2004年にそれぞれデモ音源をリリースしている。サウンドも楽曲も垢抜けないものの聴かせどころはしっかり押さえており、またNINJA MAGICへ引き継がれる部分も見られるので興味深いものになっている。ちなみに、NINJA MAGICではヴォーカルを務めていたカワサケ氏だが、このバンドではドラムスを担当しており、ヴォーカルは殆どとっていない。そもそも彼の本来のパートはヴォーカルではなくドラムスなのだ。









DOMINI MAGICA - Encyclopedia Metallum


…ところで、ワサビ・サンダーボーンことリカード・オークヴィスト氏の近況だが、以前から彼がレコーディングエンジニア/プロデューサーとして関わっているMeadows Endという同郷のメロディック・デスメタル系バンドに、先ごろ正式メンバーとして加入したとのこと。新曲のギターソロの演奏動画を公開している。ニンジャ頭巾をかぶってない姿も拝める。



2013年3月20日水曜日

Remix of Plok

JimmyAndBimmyって人たちによるPLOK!のリミックス楽曲を教えてもらった。かなーりツボを心得たアレンジ。良過ぎる。ぜひともきこう。さもないと ぼくはなにをしでかすか…。





こちらはニコニコ動画に投稿されている、draakという人によるアレンジ。これまた秀逸。


2013年3月14日木曜日

悠木碧『メリバ』(2013)

2nd プチ・アルパム「メリバ」(通常盤)2nd プチ・アルパム「メリバ」(通常盤)
(2013/02/13)
悠木碧

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 声優 悠木碧による2ndミニアルバム。昨年リリースされた1stミニアルバム『プティパ』のメルヘンチックな世界観とストーリーを継いだ姉妹編作品です。DECO*27氏やbermei.inazawa氏ら気鋭のコンポーザーを作編曲に迎え、悠木さんの様々な声色を使い分けたヴォーカルとともにヴァリエーションに富んだ楽曲に彩られた『プティパ』は、コンセプト・アルバムとしても、"ヴォーカリスト 悠木碧"のショウケース的アルバムとしても申し分のないものでした。そして本作は前作を踏まえ、彼女の内面にある世界観をより明確化し、よりディープに提示された作品になっています。前作の「ハコニワミラージュ」「ハコニワソレイユ」が、新居昭乃さんを思わせる幻想的な楽曲でありましたが、本作ではなんと新居昭乃さんと保刈久明氏の黄金コンビが「ポポン...ポン!」「夜の扉とメリーゴーランド」「サンクチュアリ・アリス 」の3曲を提供しております。新居さんのファンである悠木さんの意向を汲んだプロデューサーが今回のキャスティングをしたとのことですが、いやあ実に素晴らしいコラボレーションですね。

 アルバムタイトルである『メリバ』とは "メリーバッドエンド"の略称であり、"当人にとってはハッピーだが、周囲にはバッドである結末(その逆もまた然り)"を持った物語を指す言葉(造語)だそうです。それは今回の収録曲のストーリーにも強く反映されており、後を引く余韻を残すものになっています。楽曲のコンセプトについては作詞者/作曲者の方々にかなり細かいところまで相談が行われたそうで、彼女の中に確固たるヴィジョンが存在していることが伺えます。オープニングを飾る「ポポン...ポン!」は、前作の「回転木馬としっぽのうた」に続き、猫をテーマにした1曲。飼い猫にうっかり食べられてしまった飼い主の、身近にいるのだけれども寂しいという心境が、煌びやかでファンタジックなサウンドで綴られています。PVにも登場している愛猫の"アシュベル"くんから彼女はかなりインスピレーションを得ているみたいですね。前作の「Night Parade.」で描かれた魔女のパレードが再び登場する「夜の扉とメリーゴーランド」は、魔女からの誘いを冷ややかに眺める少女の視点で描かれた1曲。パレードの情景をイメージさせるマーチングドラムに導かれてドリーミーな展開が華やかに続いてゆく、60'sテイストも薫るポップスです。riyaさんがコーラスを歌っている他、新居さんと馴染みの深い渡辺等さん(b)、藤井珠緒さん(per)が参加されています(お二人は「サンクチュアリ・アリス」にも参加)。「I Can Fly!」は、前作の「時計観覧車」に登場した一羽の鳥が、再び飛び立つべくがむしゃらにもがき続ける様を描く、アップテンポのストレートなロック・チューン。エレクトロニカ調の「サンクチュアリ・アリス」は、前作「Baby Dolly Alice」に連なる1曲。人形と遊んでいるうちに、自分が人間なのか人形なのかわからなくなってしまった少女アリスの危うさを表現しております。ラストの「Mon Ciel Bleu~わたしのあおいそら~」は、先の4曲で描かれる世界に浸る一人の夢想家を主人公にしたワルツ調の楽曲。メタな趣向が凝らされていると共に、幸せと不幸せが表裏一体となった本作を総括しております。「揺るぎない自分の世界と、実際の世界とのバランスをどうやってとるべきなのかをちゃんと感覚として知っている。」と、新居さんが悠木さんを評していましたが、この曲は彼女のそのバランス感覚を象徴する1曲ではないでしょうか。

 ミニアルバムですが、語りどころの多い1枚だと思います。彼女の提示する一筋縄ではいかないアイデアをひとつの形にして仕上げたライター/コンポーザーの方々の手腕にも唸らされました。一方で、悠木さん自身が表現したいという世界をしっかりと持っているだけに、アルバムを通してがっつりとタッグを組める心強いパートナー(例えば、谷山浩子さんにおける石井AQ氏や、新居さんにおける保刈氏、そしてかつての坂本真綾さんにおける菅野よう子さんのような)に今後巡り合えることが出来れば、彼女のイマジネーションはさらに魅力的に花開いてゆきそうだなあとも感じました。とにもかくにも、次は是非ともフルアルバムのスケールで彼女の世界観を味わってみたいですね。さらなる成長に期待しています。



悠木碧:Wikipedia
ナタリー - 悠木碧「メリバ」インタビュー with 新居昭乃
ニコニコ動画 - 悠木碧2ndプチ・アルバム「メリバ」発売記念特番

2013年3月13日水曜日

1980年代に一世を風靡した? JOURNEYのアーケードゲーム

 JOURNEYの4年ぶりの来日公演がつい先日から始まっておりますね。ふとYouTubeでJOURNEYの動画を色々と漁っていたら、その昔、JOURNEYを題材にしたゲームが出ていた(しかも2本も)ということを偶然知ってしまい、何とも愉快な気分になりました。一本目は、バンドがアルバム『Escape』で大ヒットを飛ばした翌年の1982年に、カリフォルニアのData Ageという会社がAtari 2600で「Journey Escape」というタイトルでリリースしたもの。時代が時代だけに、ゲームの内容はとてもシンプル。「Don't Stop Believin'」の断片がちょろっと聴けます。



 二本目は、1983年にアーケードゲームとして発表されたもので、JOURNEYとして活動するために、バンドメンバーが五つの惑星に散らばった楽器を集めていくというのがゲームの目的。ミニゲームを寄せ集めたような内容は今見るとしょっぱいのですが、顔だけ実写(写真)なメンバーと、バックに流れるチップチューンアレンジの「Don't Stop Believin'」が何とも言えない味わいがあってステキです。



リリース当時のCM映像も上がっておりました。


2013年3月12日火曜日

アニメ劇伴における、KING CRIMSON オマージュ/パロディあれこれ

KING CRIMSONの楽曲をある程度知っていて、アニメのサントラをよく聴く、という人に向けた、とってもニッチなエントリ。
(2018.12.9 改訂)


▼機動戦士ガンダム
戸田恵子「いまはおやすみ」(1980)


いまはおやすみ
いまはおやすみ
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gunboy (2017-06-07)
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「機動戦士ガンダム」終盤エピソードで流れた挿入歌。作曲:渡辺岳夫/編曲:松山祐士。終盤のインストパートが「In The Court Of The Crimson King(クリムゾン・キングの宮殿)」の中盤の展開と似ています。






▼機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編
井上大輔「ビギニング」(1982)


ビギニング
ビギニング
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gunboy (2017-06-07)
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 1982年公開の映画「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」挿入歌。作編曲・歌:井上大輔。「Lizard (Prince Rupert Awakes)」に似ているということで、結構有名なネタです。






▼美少女戦士セーラームーン セーラースターズ
劇中BGM(1996-1997)




 セーラームーンの劇伴に「Larks' Tongues in Aspic Part 2(太陽と戦慄パート2)」みたいな曲があったよと聞いて以来、気になって調べていたのですが、どうやらシリーズ5作目にあたる「セーラースターズ」(1996年~1997年)の劇伴だったようです。第32話(シリーズ通産だと第198話)で流れたのを確認。また、当該BGMはサントラである『セーラースターズ ミュージックコレクション』のVol.1とVol.2、『セーラームーンシリーズメモリアルミュージックボックス』には未収録です。



▼Night Walker~真夜中の探偵
多田彰文「ヒトクセ」(1998)


NIGHT WALKER-真夜中の探偵
NIGHT WALKER-真夜中の探偵
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TVサントラ
ポリドール (1998-10-14)
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 1998年に放送されたアニメ版「Night Walker~真夜中の探偵」の劇伴。とてもわかりやすい「Red」のパロディ。他に「Moonchild」「Starless」のパロディ曲もあります。演奏陣は一流のセッション・ミュージシャン揃いなので聴き応えバツグン。隠れたパロディ作品としてオススメの1枚です。

多田彰文『Night Walker~真夜中の探偵 ORIGINAL SOUNDTRACK』(1998)






▼人形草紙(からくりぞうし)あやつり左近
都留教博&中村由利子「混迷」(1999-2000)


人形草紙あやつり左近 ― オリジナル・サウンドトラック II
TVサントラ HUMMING BIRD KOKIA 新居昭乃
ビクターエンタテインメント (2000-03-23)
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 週刊少年ジャンプ本誌での連載終了から3年後の1999年10月から2000年3月末にかけて放送された、アニメ版「人形草紙(からくりぞうし)あやつり左近」。サウンドトラックは2枚出ていますが、「混迷」は2枚目の14曲目にあたる楽曲。元 四人囃子の佐藤満(佐藤ミツル)氏がギターで参加した1曲であり、「太陽と戦慄パート2」的なヘヴィなテイストに仕上がっています。

都留教博&中村由利子『人形草紙 あやつり左近 オリジナルサウンドトラック I&II』(1999/2000)






▼Hellsing
石井妥師「必勝 妙法蓮華曲」(2000-2001)


Hellsing ― オリジナル・サウンドトラック RAID 糾襲 (限定盤)
TVサントラ 石井妥師 MR.BIG
パイオニアLDC (2001-11-22)
売り上げランキング: 97,390


 2001年から2002年にかけて放送されたTVアニメシリーズ版「Hellsing」。元 宇都宮隆バンドの石井妥師氏による劇伴は滅法素晴らしい内容で、70年代ニュー・ロックなテイストの香るハード・ロックサウンドで貫かれており、シビれます。この曲は「21st Century Schizoid Man(21世紀の精神異常者)」のオマージュも感じさせる1曲。

石井妥師『Hellsing オリジナルサウンドトラック 糾襲/吠虚』(2001/2002) 






▼魁!!クロマティ高校
「メカ沢ミニマル」(2003-2004)

魁!!クロマティ高校 オリジナルサウンドトラック
TVサントラ
ランティス (2004-03-24)
売り上げランキング: 255,201


 2003年から2004年にかけて放送されたアニメ版「魁!!クロマティ高校」は、劇伴を担当したバンドが「日本のKING CRIMSON」こと美狂乱だったので異様にプログレ濃度の高い怪作でした。なかでも「メカ沢ミニマル」は「Neal And Jack And Me」のパロディ。2枚のサウンドトラックは共に必聴であります。



▼ストラトス・フォー アドヴァンス
天野正道「Scramble」(2005-2006)

ストラトス・フォーA オリジナル・サウンドトラック
ビデオ・サントラ メロキュア 日向めぐみ
コロムビアミュージックエンタテインメント (2005-07-20)
売り上げランキング: 533,393

 2005年から2006年にかけて全6巻でリリースされた「ストラトス・フォー」OVAシリーズ「ストラトス・フォー アドヴァンス」の第2期より。この曲は「Elephant Talk」のパロディです。ちなみに演奏陣は難波弘之氏率いるSENSE OF WONDERの面々。






▼銀魂〈バラガキ篇〉
Audio Highs「見廻り組 -異三郎のテーマ-」(2012)

銀魂 オリジナル・サウンドトラック4
Audio Highs singman MADAO(立木文彦)
アニプレックス (2012-03-21)
売り上げランキング: 124,738


 アニメ版「銀魂」第2期で2012年1月から2月にかけて放送された第244話~247話〈バラガキ篇〉の劇伴。「21st Century Schizoid Man(21世紀の精神異常者)」の、ド直球なパロディ。音源としては4枚目のサントラに収録されております。また、〈バラガキ篇〉には「茨ガキと薔薇ガキ」という曲もあるのですが、こちらは21世紀の精神異常者にYESの「Heart Of The Sunrise(燃える朝焼け)」を足して2で割ったような曲調になっています。






▼闘牌伝説アカギ~闇に舞い降りた天才~
タニウチヒデキ「果てしなき旅路」(2005-2006)

闘牌伝説アカギ オリジナル・サウンドトラック
TVサントラ アニマルズ
バップ (2006-01-25)
売り上げランキング: 11,271


 2005年~2006年にかけて放送されたTVアニメ版「闘牌伝説アカギ~闇に舞い降りた天才~」。タニウチヒデキ氏による本編の劇伴は、枯れた雰囲気と、無機的なビート、喰うか喰われるかの緊迫感・焦燥感を孕んだ曲が多く、たまらなくシブい内容に仕上がっております。「果てしなき旅路」は、「Starless」へのオマージュが感じられる1曲。「赤」木しげるだけに「RED」といったところでしょうか。「果てしなき旅路 Ver2」「旅路」と、いくつかのヴァリエーションもあります。






▼たまこまーけっと
Hogweed「The Return Of The Drowning Witch」(2013)




 2013年に放送された「たまこマーケット」。本編に登場する喫茶店兼レコード屋「星のピエロ」のシーンで流れる、70年代アメリカの(架空の)プログレッシヴ・ロック・バンド「Hogweed」が唯一残したアルバムの楽曲。全9パート中のパート8に当たる部分が、「RED」を髣髴とさせるヘヴィ・プログレ・チューン。攻撃性と叙情性を併せ持った仕上がりになっています。DVD第3巻の初回特典CD収録曲。その後、2014年に劇中曲コンピレーションCD『星とピエロ』に再収録されました。

たまこまーけっとDVD第3巻初回特典CD - 
Hogweed『Excerpts from“The Return Of The Drowning Witch”』(1978)






《その他》

◆むしまるQ「ウーパークィーンのきゅうでん」(2003)

NHKむしまるQゴールド大集合!大脱皮のテーマ
TVサントラ オージー・ケン・ジュエル(馬場健二郎) 千葉繁&ハムスターズ イサム&ヨウコ・フロリダ’66 なかにしやすし おおたか静流 はっぴいENDO 日向薫 細川俊之 なるちょ(鳴瀬善博) KATSUMI うらら(三石琴乃) 東京珍獣合唱隊(東京ホームコーラス) 江口・ヨンタナ・正祥&はい!万平連欧州旅行です。 堀江美都子 オカンズ 川村万梨阿 MISUMI
日本コロムビア (2004-04-21)
売り上げランキング: 203,978


 NHK教育テレビの いきもの番組「なんでもQ」より。作曲:大森俊之。「Lark's Tongues In Aspic Part.2(太陽と戦慄パート2)」をベースに、「Epitaph」「21世紀の精神異常者」も少し混ぜ込んだパロディ。NHKの本気は恐ろしいものがあります。

『NHKむしまるQゴールド 大脱皮のテーマ』(2004)





◆永野護「Leftside-Mirage」(1990)

THE FIVE STAR STORIES
THE FIVE STAR STORIES
posted with amazlet at 18.12.09
音楽:永野護
日本コロムビア (2012-10-31)
売り上げランキング: 116,221


 永野氏が作曲から演奏までをこなした『ファイブスター物語』のイメージ・アルバムの中の1曲。「Satori In Tangier」を意識した楽曲ではないかと。


2013年3月11日月曜日

美狂乱のレアなライヴ映像

YouTubeの海を彷徨っていたら、美狂乱のレアなライヴ映像を発見、思わず見入ってしまった。1978年11月25日に御茶ノ水で行われた 「FROM THE NEW WORLD」というライヴイベントに出演した時のものらしい。詳しい説明はリンク先の動画の概要を参照のこと。



2013年3月10日日曜日

『NHKむしまるQゴールド 大脱皮のテーマ』(2004)

NHKむしまるQゴールド大集合!大脱皮のテーマNHKむしまるQゴールド大集合!大脱皮のテーマ
(2004/04/21)
TVサントラ、オージー・ケン・ジュエル(馬場健二郎) 他

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 生き物の生態をユニークに紹介する良質な子供向け教育番組であり、最高の大人向けエンターテインメント番組でもあった、NHK教育テレビの「なんでもQ」シリーズ。本アルバムは、1999年から2003年に放送された楽曲から、洋楽パロディ曲を中心に収録した集大成的ベスト盤であります。同時期に放送されていた「ハッチポッチステーション」でも、ユーモア溢れる素晴らしい洋楽パロディの数々を聴くことができましたが、こちらの方もたっぷりとネタが詰め込まれています。かつてロック少年少女だった方々の琴線に触れる心憎い趣向が凝らされた楽曲の数々に、子供以上に楽しんでいたトーちゃんカーちゃん方が続出したのもさもありなんといったところでしょう。豪華な参加声優/ミュージシャンの面々はもちろん、里乃塚玲央や亜蘭知子といった作詞家陣によるユーモアたっぷりの詞や、堀井勝美、西原俊次(オメガトライブ)、つのごうじ、江口正祥(ヨンタナ)といったアレンジャー陣の手による縦横無尽にジャンルを駆け巡る何でもアリの楽曲群、全てが最高のクオリティでした。特に洋楽パロディの入った楽曲は、絶妙なさじ加減のアレンジあり、マッシュアップあり、大胆な脱線ありとやりたい放題の極み。大人になってから元ネタを知ったときは非常にニヤニヤものであります。以下、動画サイトから引用しつつ、ご紹介。

●生沢祐一&シーガルズ「ホタル・カリフォルニア」(TV版)


 元ネタはEAGLES「Hotel California」。メロディラインもさることながら、6分半という楽曲の尺(TV版は放送時間の都合により尺が4分に編集されております)、ギターソロで幕を閉じる構成など、とことん原曲を意識したパロディ。また、映像では『Hotel Carifornia』のアルバムジャケットに写っているホテルが描写されております。途中で入る合いの手の「ホタルはリバーサイ」「お元気ですか~」は、もちろん井上陽水ネタ。ちなみにこの曲の作詞を担当された亜蘭知子さんと、ヴォーカルの生沢祐一さんのお2人は、かつてビーイングの所属アーティストでもありました。


●鈴木トオル「ボス豚」


 元ネタはBOSTON「Don't Look Back」。冒頭の宇宙船は同曲を収録したBOSTONの2ndアルバム『Don't Look Back』のジャケットのパロディ。そしてラストに表示されるテロップ「No Synthesizers Used」はBOSTONのアルバムにクレジットされている有名な一節。気が遠くなるほどの膨大な時間と多大なる労力をかけて多重録音やミックス作業を行う、バンドのリーダー トム・ショルツの矜持であります。また、映像は"破壊王"故・橋本真也氏を意識したものと思われます。


●蓮見浩二、飯島譲二「カニクイザルのゆううつ」


 元ネタはTHE BEATLES「All You Need Is Love」。オリジナルの前奏にはフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」のメロディの一部が挿入されておりましたが、こちらは前奏にインドネシア国歌「インドネシア・ラヤ」のメロディの一部が挿入されております。また、終盤で別の曲のフレーズが聴こえるのも原曲を意識しての趣向。ビートルズネタでは他に「She Loves You」をパロった「チョー(E)!」がありますが、こちらも原曲に倣ってモノラル音源仕様というこだわりを見せています。


●KATSUMI「マッコウクジラはせんすいキング」


 JOURNEY「Separate Ways」YES「Owner Of A Lonely Heart」EUROPE「The Final Countdown」VAN HALEN「Jump」と、1曲の中に往年の洋楽ヒット曲を4つ叩き込んだ驚異のパロディ曲。「えんそう 江口ヨンタナ&はい!万平連欧州旅行です。」というクレジットがまた笑いを誘います。はい!万平連欧州旅行=YES/VANHALEN/EUROPE/JOURNEY


●GENKI(人見元基)「ぞうがめ」


 パロディなしのオリジナル曲。VOW WOWの人見氏の歌唱力はやはり折り紙付きです(ちなみにこの曲には英語ヴァージョン"Elephant Tortoise"もあります)。また、編曲:難波弘之、ギターソロ:大谷令文(MARINO)というクレジットにも注目。激アツなハード・ロック・ナンバーに仕上がっております。人見氏は「カキはえいゆう」「ピーター・プランクトン」でもそのソウルフルな歌声を披露しており、いやもうホント堪りませんです。


●KWEEN「ヘビメタ・スネーク」


 ベスト盤にはこの曲は収録されていないのですが、せっかくなので。QUEENのコピーバンド「KWEEN」による1曲。QUEEN「We Will Rock You」のパロディ。途中で「The Prophet Song」のフレーズが入る。シブいチョイス。ちなみにKWEENメンバーがむしまるQのセットで演奏している映像もあります。


 このほか、ヴォーカル:杉山清貴、作曲:西原俊次のオメガトライブコンビによる「サーモンU.S.A.」は、THE BEACH BOYS「Surfin' USA」のパロディ。日本食だけど原産地は全て米国産という状況を描きつつ"すばらしいU.S.A.~♪"と歌う詞といい、さりげなく"一切合財U.S.A.~♪"と歌っているバックのコーラスといい、洒落と風刺と皮肉の三点盛りな曲でもあります(しかし、ちょろっと入る左門豊作ネタはちびっ子にゃわからんですたい)。また、千葉繁氏の個性溢れる声をフィーチャーして強烈なインパクトを与える、THE BUGGLES「ラジオスターの悲劇」のパロディ曲「ハムスターの悲劇」



KING CRIMSON「太陽と戦慄パートII」「Epitaph」「21世紀の精神異常者」をツギハギした「ウーパークィーンの宮殿」(坂口あやさんによる元気溢れるヴォーカルとのミスマッチ感が何とも妙味)。はっぴぃえんど「風をあつめて」を元にした、むしまるQでは珍しい邦楽パロディ曲「みずのなかの小さなクマ」(ちなみにクレジットは"はっぴぃENDO"になっています)。金子マリさん、おおたか静流さん、人見元基氏、野村義男氏が一同に会した「いのちのかね」。むしまるQのラストを飾った曲であり、ベーシストである鳴瀬善博氏がヴォーカルを取る「大脱皮のテーマ」(元ネタは「The Great Escape March(大脱走のマーチ)」)。…と、語りだしたらキリがありません。末永く聴き続けていきたいアルバムです。一家に1枚、是非どうぞ。



【後記】
 残念ながら、『NHKむしまるQゴールド 大脱皮のテーマ』は現在廃盤になっております。今でも入手できるのは、以下のもの。

NHKむしまるQ ソングコレクション [DVD]NHKむしまるQ ソングコレクション [DVD]
(2006/11/22)
堀江真知子、影山ヒロノブ 他

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NHK むしまるQゴールド 歌のアルバム大全集~すてきなきみNHK むしまるQゴールド 歌のアルバム大全集~すてきなきみ
(2002/06/21)
TVサントラ、ブッチャー・浅野 他

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NHKなんでもQ 歌のアルバムNHKなんでもQ 歌のアルバム
(2000/06/21)
テレビ主題歌、三石琴乃 他

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2013年3月8日金曜日

多田彰文『Night Walker~真夜中の探偵 ORIGINAL SOUNDTRACK』(1998)

NIGHT WALKER-真夜中の探偵NIGHT WALKER-真夜中の探偵
(1998/10/14)
TVサントラ、BUCK-TICK 他

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 Tomboyより93年に発表された18禁PCゲームを原作として、98年にテレビ東京系列で放映されたアニメのサウンドトラック。主題歌はBuck-Tick「月世界」とLa'cryma Christi「未来航路」。…ここまでであればまあ、とり立てて言うことはないのですが(2曲ともTVサイズではなく、フル・ヴァージョンでサントラに収録されているというのは珍しいケースと言えるかもしれませんが)、注目すべきはアニメ本編の劇伴の内容。聴いてみると、そこかしこでKING CRIMSONのあの曲やこの曲のパロディが繰り広げられているのであります。アニメの企画者の発注でこうなったのか、それとも作曲者の多田さんの趣味なのかはわかりませんが、事情を知らないプログレ・ファンに聴かせたら、まず間違いなく「いいのかコレ!?」とビックリするくらいにパロディのオンパレード。例えば、「アバンタイトル」「ヒトクセ」は「RED」の、「紫藤の怒り」は「Moonchild」の、「紫藤のテーマ」「事件の予感」は「Starless」の、それぞれパロディをやっているといった具合です。また「ブリードのテーマ」「ブリードの誘い」は、楽曲のパロディをやっているわけではないですが、中期KING CRIMSONの影が色濃いヘヴィに軋んだ仕上がり。まあ、これは実際聴いてみた方が早いですね。





……いかがでしたでしょうか。パロディとはいえプログレッシヴ・ロックということで高いスキルが必要とされるものなだけに、演奏陣も田中徹(dr)、長岡道夫(b)、芳野藤丸(g)、千代正行(g)、平原智(fl.sax)、渕野繁雄(sax)、荒木敏男(trumpet)、松田真人(p.kbd)、村田陽一(trombone)といった一流スタジオ・ミュージシャン揃い。安定感やキレもさることながら、渋くて白熱したパフォーマンスを存分に展開しております。情感たっぷりなプレイでムードを演出するブラス・セクション、ハードなギターとオルガン/シンセのエキサイティングな絡みは大いに聴きモノです。「決戦~闇と闇の闘い~」は、小気味良く差し挟まれるブラスもイカす、疾走感溢れるオルガン・ハード・ロックで非常にスリリングな1曲(Emerson,Lake&Palmerの"バーバ・ヤーガの呪い"を意識したオルガン・フレーズがささやかながら入ってるのはご愛嬌)。パロディ部分にばかり耳が行きがちになってしまうのですが、「カインのテーマ」「永遠の闇」といった、アニメ本編のカラーに合わせた、暗く、哀愁漂うトーンのインスト曲も秀逸なものがあります。そして極め付けが、ラストに収録されている「月世界」のピアノ・インスト・ヴァージョン。切々とした旋律が琴線に触れる、ここでしか聴けない隠れた名アレンジなのであります。…とにもかくにも色んな意味で聴き応えのあるサントラですので、好事家の方々は是非とも入手してみて下さい。





Night Walker -真夜中の探偵- - Wikipedia
多田彰文 - Wikipedia

夫人と太陽と戦慄

楽曲展開がモロに"太陽と戦慄パート2"だったことでフリップに怒られたエマニエル夫人の例のシーンの曲。サントラだと1分ちょいしか収録されてないんだよねえ。


これが劇中で流れたロング・ヴァージョン(音声のみ)。あえぎ声入り太陽と戦慄というのは何かもうある種のモンド・ミュージックなのではないか…?と思ったり。


2013年3月6日水曜日

La Leggenda New Trolls『Concerto Grosso No.3』(2013)

Concerto Grosso N 3Concerto Grosso N 3
(2013/03/12)
New Trolls-La Leggenda

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全盛期メンバー+ルイス・バカロフによる(LA LEGGENDA)NEW TROLLSのコンチェルト・グロッソ シリーズ最新作『Concerto Grosso N.3』が遂に出た。http://Amazonだと来週12日に入荷予定になってるんだけど、待ちきずにiTunesでDLしちまったよ。
https://itunes.apple.com/jp/album/concerto-grosso-no.-3/id604925817

ナンバリングタイトルで出るのは76年の『N.2』以来なわけです。2007年に『Concerto Grosso,The Seven Seasons』が出てて、そちらも快作アルバムなんだけど、そこにはバカロフ爺さんが参加してなかったんだよね。で、早速全曲聴きました。期待に違わぬ傑作でござんした。1と2の流れはもちろん、『The Seven Seasons』の軽快でハードな流れも汲んでる。でもやっぱりバカロフの爺さんがいると大分違うなあと。今年で御年80歳を迎えると知って驚いた次第。


2011年に演ったライヴ。これがアルバム1曲目の「The Mythical City」にあたる曲。


2013年3月3日日曜日

テレタビーズの主題歌の作曲者は、元プログレバンドのキーボーディスト - Andrew McCrorie-Shand

70年代のイギリスにDRUIDというYESフォロワーなプログレッシヴ・ロック・バンドがおりました。当ブログでも以前、アルバムをレビューしたエントリ(DRUID『Toward The Sun』(1975) 『Fluid』(1976))があるんですが、牧歌的で垢抜けないながらも良質なサウンドを聴かせるバンドでありました。


このバンドのキーボーディストだったAndrew McCrorie-Shand氏は、後にイギリスBBCの人気子供番組である「テレタビーズ」のオープニングテーマの作曲者として知られる存在となります。YouTubeには、彼が90年代にアメリカのモータースポーツ系番組に提供したインスト曲が上がっていたりもするのですが、これが非常にカッコイイキーボード・プログレ/プログレ・ハード路線の曲調で、非常にツボをくすぐるものがありました。