2010年6月12日土曜日

LIGHT BRINGER『Tales of Almanac』(2009)

Tales of Almanac(テイルズ・オブ・アルマナック)
LIGHT BRINGER(ライトブリンガー)
LIGHT BRINGER (2009-06-13)
売り上げランキング: 39,004


DRAGON GUARDIAN『DRAGONVARIUS』にも参加していたFuki(Vo)、Hibiki(Ba/ALHAMBRA)の二人も在籍している6人組プログレッシヴ・ハード・ロック・バンド ライトブリンガーの1stフルアルバム。『DRAGONVARIUS』は勇者アーサー氏の気張りっぷりがダイレクトに反映されたゆえか凄まじく濃ゆい仕上がりでしたが、このライトブリンガーはあちらとは対照的にソフトかつ爽やかな路線。音楽性の根幹の部分はドラガーと似たようなものなのですが、絶妙なバランス感覚でもって料理されたメロディックなプログレハードロックサウンドを展開しております。各メンバーがSYMPHONY XやGALNERYUSといった各種メタルバンドの他に、WANDSやDEEN、SIAM SHADE、Sound Horizon等をフェイバリットに挙げているだけあって、80~90年代J-POPやアニソン由来のポップネスにピリッとしたプログレハード的な要素が程良く溶け込んだサウンドが非常に好感触。

 1曲目の「Diamond」からストレートに切り拓くようなメロディが全開で、フレッシュなコーラスで爽やかに歌い上げられる「We're All In This Together」や、往年のビーイングのような必殺モノのイントロを持った「In Disguise」など、モロに90年代J-POPを彷彿とさせられる楽曲のオンパレード。アイデアを詰め込みながらもツボを押さえたキャッチーさに焦点を絞って楽曲を聴かせてくる潔さは見事というほかありません。紅一点のFuki嬢の歌い回しは多少芝居がかった印象も感じさせますが、そこまでクドさはなく、むしろ伸びやかなヴォーカルを十二分に生かしてバンドのサウンドとバッチリ噛み合わせており、突き抜けぶりに拍車をかけております。中でもミドルテンポの「Closed Sister~雪待月の妹~」は秀逸。スピードチューンもスロウ~ミドルバラードもイケるソツのないオールラウンダーぶりには好みが分かれそうなところですが、プログレハード的サウンドメイキングにはALHAMBRAを彷彿とさせられる部分が多く、本家メンバーのHibiki氏がいるということを抜きにしても"ポストALHAMBRA"のポジションに納まる素質十分だと個人的に思いますし、今後の発展が非常に気になるバンドのひとつであります。

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