2009年11月1日日曜日

Diablo Swing Orchestra『Sing-Along Songs For The Damned And Delirious』(2009)

Sing-Along Songs for the Damned & DeliriousSing-Along Songs for the Damned & Delirious
(2009/09/22)
Diablo Swing Orchestra

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 スウェーデンのアヴァンギャルド・メタル・バンド、ディアブロ・スウィング・オーケストラの2ndアルバム。怪しくうねるチェロや喧しいブラスサウンドが大々的にフィーチャーされ、ヘヴィなリフの疾走と共に非常に愉快にスウィングしまくるハイブリッドなメタルサウンドが特徴。楽曲のひねくれぶりもさることながら、ドスの効いた男性ヴォーカルと女性ソプラノヴォーカルがやたらとオペラティックかつ大袈裟な歌い回しで、脅かしにかかるかのようにズンズン迫ってくるという子供が泣くようなタチの悪さも兼ね備えていると言う有様。ラテンミュージック的な陽気さやムーディーなジプシーサウンド、チープなサーフィンサウンドも随所で顔を覗かせ、さながらサーカスの舞台にガンマンやらサーファーやらストリップダンサーが入り乱れて大道芸を繰り広げているような、どうしようもなく猥雑でカオティックな印象を抱かせてくれます。横ノリのビッグバンドサウンドと縦ノリのメタルサウンドがいかがわしくもクールに融合したハイテンションなオープニングナンバーの「A Tapdancer's Dilema」や、さながらミュージカルのようにヴォーカルの息もつかせぬ応酬が繰り広げられる「A Rancid Romance」「Bedlam Sticks」、実にストレートなタイトル通りの愉快なスラッシュ・ポルカ「Vodka Inferno」などの楽曲は実に単純明快なインパクト。変態的なハッタリ感ではカナダのUNEXPECTやアメリカのMr.Bungle、ユーモラスさではフィンランドのALAMAAILMAN VASARAT、おバカさ加減では日本の赤犬に相通ずる、といった感じ。これらのバンドが好きな人にはもちろん、B級フォークメタル好きにもかなり引っ掛かりまくるところがあるんじゃないでしょうかね。キワモノではありますがゲテモノにはならない絶妙なラインをキープしているのも面白い。肩肘張らずにゲラゲラ笑いながら聴ける抱腹絶倒な一枚。



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