2007年10月27日土曜日

function code(); 『リカーシヴ・コール』(2006)



リカーシヴ・コールリカーシヴ・コール
(2006/01/25)
Function Code();、森永理科 他

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 蒼星石の中の人 森永理科嬢の在籍するバンドのインディーズ1stアルバム。ALI PROJECTやJ・A・シーザーからの影響を感じさせる耽美ゴシックな雰囲気の楽曲と、エモーショナルなギターロック/ポップスが半々で収まった構成の作品です。月蝕歌劇団のメンバーでもある森永嬢のシアトリカルなアングラ嗜好と、ギタリスト兼プロデューサーであるH.L.EURO氏の構想するGARBAGE系統のオルタナロックサウンド、この両方を盛り込むのはなかなか面白いと思うんですが、チグハグしててまだ発展途上といった印象なのは否めません。とはいえアレンジはそれなりに凝っており、とりわけ終盤「The Existence Of Love」「行方」の2曲は良い感じに仄暗くミステリアスな雰囲気を醸していて秀逸でした。先月メジャーデビューしたそうなので、今後のアルバム発表でバンドの作風をどのように展開していくのか期待したいところ。J・A・シーザーの作風を標榜するならもっとエキセントリックでもいいんじゃないかなと個人的には思います。

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森永理科:Wikipedia
森永理科:公式

2007年10月24日水曜日

HELLOWEEN『Gambling With The Devil』(2007)

Gambling With the DevilGambling With the Devil
(2008/10/07)
Helloween

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 80年代後半から90年代にかけてのジャーマン・メタルシーンを牽引してきたハロウィンの通産12作目。もうそろそろこのバンドを追っかけるのも潮時かなと思い始めるようになっていたのですが、今作聴いてその考えを保留しました。バンドサウンドと楽曲のアグレッションはここ数作を凌ぐほどに強烈で刺激的。かの「Push」を髣髴とさせるアンディのハイテンションシャウトとサビの「Kill It!」コールがガツンとキメる「Kill It」、長尺ギターソロ&長尺キラーチューンという恒例のヴァイキー様式ナンバー「The Saints」、ピアノをアクセントにしつつサビでスカっと開けるシングルカット曲「As Long As I Fall」と、序盤は相変わらずテンプレ通りとも言えるキラーな流れですが、今作ではそのガツガツした勢いが終盤まで途切れることなく維持されており、近作にはなかったその思い切りの良さが今作のヴィジョンの定まったパワフルな印象作りに大きく貢献しています。中でも中盤は良曲揃いで、「The Beels Of The Seven Hells」「Fallen To Pieces」「I.M.E」といった山あり谷ありの劇的トリロジーは本作の目玉。良い具合に力が抜け過ぎて明らかに浮いてるポジティヴなポップメタル「Can Do It」でようやく一息ついたかと思えば、続く様式美ナンバー「Dreambound」で再び勢いを取り戻す。ラストは怒涛のイントロでいきなりクライマックス状態な「Heaven Tells No Lies」で手堅く締め。「Final Fortune」然り、今回のマーカス曲はドラマティックなフレーズが際立っててアンディ曲と何ら遜色ない仕上がりなのが素晴らしい。気がつけば今作、バラードナンバーがないんですね、これもバンドの状態が相当充実しているということの表れなんでしょうか。発売日を急遽一週間早めたのも十分うなづける快作だと思います。


波動拳を撃ち合うPV。

2007年10月4日木曜日

菅野よう子 他 「MACROSS PLUS」関連サウンドトラック四作(1994~1995)

 初めてマクロスプラスを観たのが確か7年前。あの時は劇場版とOVA版、共に熱に浮かされたように画面に釘付けになって観てました、リアルタイムで観たかったと何度思ったことか。アニメ本編もさることながら、魅力的な楽曲群も未だに印象に残っています。本作は菅野よう子さんにとって初のアニメ劇判作品となったわけですが、デビュー作とは思えない見事なスコアを作り上げています。


MACROSS PLUS ORIGINAL SOUNDTRACKMACROSS PLUS ORIGINAL SOUNDTRACK
(1994/10/21)
YOKO KANNO with MEMBERS OF ISRAEL PHILHARMONIC ORCHESTRA、Gabriela Robin 他

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 イスラエル現地録音を敢行し、イスラエル・フィルハーモニック・オーケストラによる重厚な演奏をフィーチャーした楽曲をメインに構成された第一弾サントラ。張り詰めた緊迫感や雄大に飛翔する爽快感など、様々なニュアンスを見せるオーケストレーションは迫力の一言。「Fly Up To The Air~Tension」「Break Out~Cantabile」を聴いていると心なしか故.羽田健太郎氏による初代マクロスのスコアを彷彿させられます。また、本編に登場するヴァーチャルアイドル シャロンアップル名義のヴォーカル曲である「After In The Dark~Torch Song」(歌 - 山根麻衣/Gabriela Robin) 「SANTI-U」(歌 - Gabriela Robin)は、双方ともミステリアスかつドラッギーな雰囲気を漂わせる大作志向の楽曲。後者はダウナーなコーラスが覆い尽くす序盤、めくるめるサウンドコラージュがカオティックな中盤、そして四つ打ちシーケンスと、美狂乱やadi、ヒカシューのメンバーとしても知られる佐藤正治氏によるヴォイス・パーカッションが奇妙な対比を見せる終盤という独特の構成が不気味でありながら一際印象的なインパクトを放つ名曲。そして本作のもう一つのハイライトと呼べるのが、作中でミュンも歌っている主題歌「Voices」(歌 - 新居昭乃)。シャロンの楽曲とは対照的にシンプルな構成でありながら、とことんまで澄み切った新居嬢の歌声が心を打ちます。個人的な思い入れも深い1曲。




MACROSS PLUS ORIGINAL SOUNDTRACK 2MACROSS PLUS ORIGINAL SOUNDTRACK 2
(1995/07/21)
ビデオ・サントラ、新居昭乃 他

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 「Voices」とは対照的に新居嬢がコケティッシュなヴォーカルを聴かせるエレクトロポップス「Idol Talk」。トロピカルなアコースティック・ギター・サウンドがまどろむアコースティック・ブルース「Welcome to Sparefish」。バルカン・トラッドのようなニュアンスを感じるサックスとジャンベが躍動する「Nomad Soul」。アフリカン、ラテン、オリエンタルと様々な要素が入り混じり独特のカラーを生み出す「Go Ri A Te」。遥か雄大な自然を想起させるアジアンポップス「Pulse」(歌:Wu Yun Ta Na)。ブルガリアンヴォイスが神秘的な「A Sai en」。「SANTI-U」にも登場した佐藤正治氏によるヴォイス・パーカッションがシンセサイザーのバッキングとアグレッシヴに絡む迫真の1曲「Bad Dog」。艶やかな琴の調べによる小品「Child MYUNG」など、2枚目は民族色豊かな楽曲が並んだヴァラエティに富んだ構成で、ただならぬ懐の広さを誇る菅野さんの本領発揮といったところでしょうか、1枚目よりもこちらの方が自由奔放な印象が強いです。…ところで話は逸れますが、サントラIとIIにそれぞれ収録されているピアノ曲「More than 3cm」「3cm」は、彼女がかつて在籍していたファンク・ロック・バンド「てつ100%」の2ndアルバム『あと3cm』にちなんでいるのでしょうかね?




「MACROSS PLUS」~ザ・クリーム・パフ「MACROSS PLUS」~ザ・クリーム・パフ
(1995/02/22)
SHARON APPLE

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 ヴァーチャルシンガー シャロン・アップル名義での4曲入りシングル。「SANTI-U」「Idol Talk」の2曲はサントラで既発。サントラ未収録の「The Borderline」(歌 - 新居昭乃)は、ベースが太くうねり、蟲惑的なウィスパーヴォイスが空間を舞うアンニュイなジャズ・ナンバー。他のシャロンのヴォーカルナンバーと同様、こちらもトリップしそうな内容です。しかし、本シングルの目玉は、本編の大気圏突入シーンで使われた、CMJK作曲による「Information High」でしょう。8分間の中に起承転結の全てがあり、抜けるような爽快感もたまらない、血中のアドレナリンが沸き立つこのハイテンションなアッパーチューンは、本編でのシンクロ含めて素晴らしい仕上がりで、マクロスプラスの楽曲の中でも1・2を争うほどファンからの人気も高い1曲。「何故サントラに収録しなかったのか」という声も多いのですが、曲単体の存在感がズバ抜けているのでこれはシングルカットで正解だったように思います。




MACROSS PLUS ORIGINAL SOUNDTRACK PLUS - for fans onlyMACROSS PLUS ORIGINAL SOUNDTRACK PLUS - for fans only
(1995/11/22)
サントラ、Gabriela Robin 他

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 既発表曲数曲に、サントラ未収録曲、アレンジヴァージョン、劇場版用に用意された新曲を加えて構成されたアルバム。ファンサービス的な1枚でありながら、劇場版マクロスプラスのサントラとも、ベスト盤的サントラともとれる内容。へっぽこなノリとズレのあるチンドン的アンサンブルが妙味な「Tepee」は菅野さんらしい遊びが伺えて微笑ましい。シャロンのヴォーカル曲はショートヴァージョンになっていますが、「SANTI-U」「Torch Song」の2曲はシームレスに繋がっており、サントラとはまた違う印象を与えています。シンプルな美しさの極みが味わえる「Voices」のアカペラヴァージョン、原曲のトラッド色や粘っこさがサラリと料理された「Nomad Soul」のピアノヴァージョンもなかなかですが、当時、菅野さんの旦那さんであった溝口肇氏によるチェロをフィーチュアした「MYUNG Theme」は本作におけるアレンジ・ヴァージョンでダントツではないでしょうか。チェロの物悲しさがしみじみとした余韻を誘います。劇場版のみの挿入歌「WANNA BE AN ANGEL」(歌 - 新居昭乃)と、本編終盤のイサムVSガルドのバトルで使用された「Dog Fight」の2曲は本作のハイライト。前者は浄化されんばかりの神々しさを放つヴォーカル&アレンジがあまりにも眩しく、後者はチェコ・フィルによる勇ましくダイナミックなアンサンブルがバトルのフィナーレを演出します。




マクロスプラス - Wikipedia
菅野よう子 - Wikipedia
シャロン・アップル - Wikipedia
新居昭乃 - Wikipedia
CMJK - Wikipedia