2006年7月30日日曜日

米米CLUB『Sorry Music Entertainment』(1995)

ソリー・ミュージック・エンタテインメント(限定盤)ソリー・ミュージック・エンタテインメント(限定盤)
(1995/11/22)
米米CLUB

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 米米CLUBにおける、"ソーリーな曲"(うんこ曲)ばかりを集めた2枚組アルバム。初回盤には"うんコイン"がついていたり、ライナーノーツでは「SORRY度数」なる基準で各楽曲のソーリーっぷりを解説しているという無駄に親切設計。このアルバムタイトルも、リリース元であったソニー・ミュージック・エンタテインメントのもじり。どこを切ってもエロくてナンセンスなユーモアが満載で、米米CLUBの裏の最高傑作として本作を推す人もいるとかいないとか。実際、私は本作からかなり影響を受けました。以下、誰も得しない全曲解説。

≪DISC1≫

【アイム・ソーリー】
柏田と先輩が繰り広げる、アイムソーリー山登頂におけるドラマティックなやりとりを収録したテーマ曲。

【ボッサボサノヴァ】
「こっこぴゅぴゅこっこぴゅぴゅこんぴゅーたー」など、ノー天気でアホの極みな歌詞が素敵。

【男同士~POSTホモ伝説~】
竜二と舎弟が義兄弟の契りを交わす。「ヤンチョヤンチョ」と雄臭いコーラスも渋い、テクノ演歌。竜二を演じるコータロー氏のドスの効いた台詞がかなり様になっているのもポイントです。


【VIVAみたいなもの】
ちょっとやそっとじゃみせないものを見たいと願う男のリビドーを体現した曲。歌い方もさることながら、後半の「ヘンタイ!」の合いの手も、どことなくいやらしい。

【ワンダフルSUNでぃ】
比較的まともな曲その1。アルバムの他の曲がいかに変態度数が高いかということを認識させる曲でもあります。当時ビールのCMに提供されたキャッチーな曲で、実質2時間で仕上げられたそうです。

【サマーラブストーリー】
ライヴで演ろうとしたものの、当日になって躊躇したため結局やらなかったらしいナンバー(笑) しっとりとしたムード満点なバラードを、「あなたとわたしのドッキング」「お砂が入ってイタタタタタ」「今日はデキ~る」といった下世話でスチャラカなフレーズで破壊する。

【0721】
自家発電の唄。シコシココーラスが入るのほほんとした佳曲。「0721をしながら、この92を考えよう(シコシコ シコシコ)♪」


【ザ・ヘア】
テーマ"下の毛"「何か言いたいことがあるとするならば、芸術を利用しないでください ここで きっぱりと わたしは言います あれでは ぬけません」

【日本の夏】
日本の夏の情緒、すっぽんぽん、色欲。「兄さん、種出しなよ」

【Deep In Your Nice Body】
山下達郎風シティ・ポップ・サウンドに載せて、卑猥な日本語詞(しかし歌詞は全てローマ字表記)をイングリッシュスピーキング風味で歌う曲。オトナのサウンド(色んな意味で)



【いただきました】
大阪人根性あふれるファンキーな曲。ミナコ氏による啖呵が素晴らしい。

【虫の息】
意味不明なフォーク・ナンバー。「都会では自殺する人が増えています」というフレーズはもちろん井上陽水「傘がない」のパロディ。

【露骨にルンバ】
"やよい"というこけしへの慕情を歌った曲。「やよい、今日は離さないよ。いいだろ。僕と、夢を見るんだ!」と、石井氏がデカイこけしを抱きながら歌う。

【ポンコツ君とガラクタ君】
ポンコツ君とガラクタ君の悲哀を歌った「ダメなやつはなにをやってもダメ」なトホホ曲。


【アンジュール】
歌詞はフランス語っぽい語感。しかし「アズマハチロー」やら「カキノタネヤンカレボ」といったのが混じっている。しかも同時通訳される。

【サンサルバドルの雪】
比較的まともな曲その2。収録曲の中で最もマトモな存在かも。わびしさ漂うインストゥルメンタル。

【世界ミュージックアラモード】
続いて、カマッぽいMC。

【タトゥーレ】
続いて、マドレーヌ・フォン・スクヴァビッチ嬢による、西ファロレモンドはカタルロマージュ地方に伝わる出産を祝う唄(という設定)。

≪Disc2≫

【伴天連の人魚】
雄臭い「セクシーセクシーセクシー」のコーラスと、石井氏の「私は伴天連の人魚です」というフレーズの永遠の掛け合い。

【スカンジナビアで逢いませう】
石井氏が朗々と歌い上げ、無駄にオーケストラヒットが鳴り響く、アルプスの風景が浮かびそうで浮かばない曲。

【金・金・金】
「世の中金!」という風潮に一石を投じてんだかどうだかわかんない曲。「ヴァーカッじゃねぇのくぁとぅぇむぇえ!」「ゥアホじゃねぇのくぁとぅぇむぇえ!」と、歌い方が妙にねちっこい。

【てんぱってんだよ】
運命てんぱってる男の心の叫び。

【プロは大変だ】
一発録り。というわけで笑ってたり歌詞間違えたりしてますが、短いながらも各パートのソロはあり、しかもサマになってるミュージシャン魂溢れる曲。そう、プロは大変なのです。

【プヨプヨ】
頭がプヨプヨしてます。

【鶴のしかえし】
日本残酷昔話。自分が撃たれたのはじじいのせいだと逆恨みした鶴と、じじいとの掛け合いが素晴らしい勢い。「おまえの腕を検査したら、硝煙反応も出てんだよぉ!」「そりゃーあんまりだー、お鶴さん」

【オーチャンガ】
清涼飲料水のCMに提供された曲。マンガに出てくる「アルヨ」が語尾の中国人ばりにうさんくさい。

【パパは893】
子犬が嫌いなヤクザを父にもつ息子が、父を歌った心温まる曲。

【ヤスちゃん】
ジェームス小野田こと小野田安秀について、沖縄民謡的味付けを施して歌った曲。

【でましたプルルンじーさん】
「プ プ プルルン! 出たよ!」こんな絶倫じじいで素敵な老後を過ごしたい。


【VIVA PEPE】
「あ~、やんなっちゃうな」とデレっとしている人に向かって、「ちゃんとしなさい!」と怒っている人の歌らしい。ある意味デレツン。

【アヴァンギャルド】
好きな音楽:Cabaret Voltaire / 好きなアーティスト:マルセル・デュシャン アヴァンギャルド趣味で悦に入る歌謡曲(?)

【マンボ踊り】
マンボ マンボ マンボ ウーッハッ! ペッ!

【ドライ・マン】
股間にコーヒーをこぼされても、火傷よりクリーニングの心配しやがれコノヤローとのたまうドライクリーニング屋の息子の心の叫び。

【マイ・ガール 第三章】
虎舞竜風味。女性を押し倒して揉みほぐすドライクリーニング屋の息子の妄想。

【ハードでゆこう】
ライナーノーツで唯一解説が拒否された曲、SORRY度数もマキシマム。ナニがハードです。

【芸術家】
芸術家のおじさんがベレーをかぶってイカ喰ったりヒゲ剃ったりする曲。アヴァンギャルドかつ荘厳な雰囲気漂う。終盤にふさわしい曲かもしれない。妙にカッコイイ。

【コロンビアのお花畑】
頭の中もお花畑。