2006年2月7日火曜日

THE MOODY BLUES『Days Of Future Passed』(1967)

Days of Future Passed (Reis)Days of Future Passed (Reis)
(2008/07/15)
Moody Blues

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 プログレッシヴ・ロック黎明期のムーヴメントを支えたバンドのひとつ、ムーディー・ブルースの1967年作品。「ロックとクラシックの融合」を目指したエポック・メイキングなアルバムのひとつです。当初、デラム・レーベルの新しいサウンドシステムのPRとしてロックをやってくれと会社側から言われていたバンドの面々が、それだけじゃつまらないということでオーケストラとロック・サウンドを融合させたものを作り上げようと思い立ったのがそもそもの始まりだそうな。ロンドン・フェスティバル・オーケストラの指揮者であるピーター・ナイトに楽曲のアレンジを頼み、充実した環境の中でレコーディングが行われたという本作は、「人生における一日」をテーマにしたコンセプト作品。詩の朗読に始まり、「夜明け」「朝」「昼」「昼下がり」「夕暮れ」「夜」をテーマとした楽曲が続き、最後は詩の朗読で終わるという構成であります。「昨日の夢は今日のため息」「黄昏時の間、私とともに黄昏時の夢の中へ」など、ところどころ韻を踏んだ詞も印象的。オーケストラの比重が高いのもあり、サウンド・トラックのような趣も強く感じますが、トータルで見るとやはり良質なロック/ポップス・アルバムとしてのまとまりを感じさせます。軽快なオーケストラ・サウンドから、ビーチボーイズばりのコーラスを加えた陽気なロック・サウンドへと展開していく「Lunch Time:Peak Hour」は痛快な1曲であります。本作のハイライトは、「ナイツ」というシーツと、サテンを引っ掛けたタイトルを冠した7分に及ぶラストナンバー「Nights In White Satin(サテンの夜)」。オーケストラのシンフォニーにメロトロンの響きが重なり、しみじみとした哀愁と共に壮大な盛り上がりを見せる一大バラードで、バンドの名を広く世に知らしめた1曲であり、メロトロンを効果的にロックに使用した楽曲として語り継がれる名曲です。

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